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頑張って太ろうと思い、食事も多めに摂るように心掛けていたところ、喉から胃までの間がギューッと締め付けられたように痛み出した、なんてことはないでしょうか?
もしかすると、それは逆流性食道炎かもしれません。
逆流性食道炎の人は、症状が酷くなると食べることにもだんだんと抵抗が出てきてしまい、どんどん痩せてしまう人も少なくありません。
食事をとると悪化してしまい、食事をすることが苦痛に感じてしまう人も多いのです。
さらにひどくなると食事はおろか呼吸することすら辛くなってしまうケースも…!
特に、痩せている人が太ろうと思った時、真っ先に考えることは「糖分や脂肪分の多い食事を摂ろう」ではないでしょうか?
しかし、この考え方が逆流性食道炎を引き起こす要因となっているのです。
そこで、このページでは「逆流性食道炎とはどのような症状なのか?」を理解すると共に、その要因と対策を把握して逆流性食道炎を引き起こさない健康的な太り方を解説しています。
もちろん早く治してあげることが一番重要ですが、太りたいと考えているならこの逆流性食道炎と上手に向き合いながら太るための施策を講じていくのがベストです。
この記事を読み終わるころには、逆流性食道炎を緩和するための方法とおすすめの食事の選び方、胃薬の活用法から適切に太るための方法まで理解を深めていただくことができます。
逆流性食道炎を持っているけど太りたいというあなたは、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。
目次
逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎とは胃食道逆流症(GERD=Gastroesophageal reflux disease)の1つで、胃の内容物や胃液が食道へと逆流することによって食道の粘膜にびらん(ただれ)や潰瘍などができ、様々な炎症を引き起こす食道疾患をいいます。
食道は胃へと続いていますが、その境界には弁の役割を果たす「下部食道括約帯」があり、この下部食道括約帯が食道から食べ物が送られてきた際には弛緩して胃へと送り届け、その後すぐに収縮して胃の内容物が逆流するのを防いでいます。
ではなぜ、下部食道括約帯が必要なのでしょうか?
胃液は、食べ物を消化させて腸内で吸収しやすくする役目を持っているため、強い酸性を示します。
この胃液があるから、私たちは食べ物から栄養分を吸収することができ、健康を維持することができているのです。
しかし、食べ物を溶かすほどの力を持っていれば、当然胃の内部も溶かされてしまうわけですが、それを防ぐため胃の内部は厚い胃粘膜が覆われており、この胃粘膜が強酸性の胃液から胃を守っているのです。
ところが、食道の役割は口から摂り込んだ食べ物を胃へと送り届けることであり、食べ物を消化させることを目的としていないため、食道の内部は胃のような厚い粘膜に覆われていないのです。
そのため、強酸性を示す胃の内容物が食道へと逆流してしまうと、食道の壁を溶かしてしまい、びらんや潰瘍などができて逆流性食道炎を引き起こしてしまうのです。
逆流性食道炎の症状
逆流性食道炎の症状は主に胸焼けですが、その他にも様々な症状があり個人差が大きいのが特徴です。
1.胸焼け
胃の内容物の逆流によって食道がただれなどの障害を起こし、それが原因でムカつきや不快感を感じることがあります。
2.胸部の痛み
胸焼けの症状が悪化することで食道に潰瘍などができ、それが原因で胸部をギューッと締め付けられるような痛みが生じることもあります。
3.呑酸(どんさん)
胃液は、強酸性であるためツーンとした臭いと酸味を持っており、逆流することでゲップと共に強い酸味と苦味を感じます。
4.喉の痛みや口内炎
喉にはウイルスや細菌から守るために粘膜が存在していますが、この粘膜も強酸性の胃液には勝てず、粘膜が損傷して痛みや口内炎を引き起こすこともあります。
5.咳
胃液が気管支へと逆流することで気管支の内部に炎症が起こり、それによって咳が発生することもあり、ひどい場合には喘息を引き起こすこともあるのです。
このように、逆流性食道炎の症状は人によって症状が違っているほか、中には全く症状が出ないという人もいます。
ここからは、なぜ逆流性食道炎を引き起こしてしまうのか、また太る方法と逆流性食道炎との関係についてみていきましょう。
逆流性食道炎を引き起こす要因
逆流性食道炎が起こるメカニズムは分かりましたが、ではどうして胃液の逆流が起こってしまうのでしょう?
従来は、逆流性食道炎を発症するのは高齢者が多かったのですが、近年では若い世代での発症率も増えているといわれています。
逆流性食道炎を引き起こす要因は、加齢の他に偏った食事・暴飲暴食・便秘・ストレス・姿勢などが関係しています。
逆流性食道炎の要因その1:加齢
歳を重ねることで体全体の筋肉が衰え、食道と胃の境界にある下部食道括約帯の働きも低下するため、胃の内容物が食道へと逆流しやすくします。
さらに、加齢によって消化した内容物を腸へと送り届ける胃の蠕動(ぜんどう)運動も低下することから、強酸性を示す内容物が腸ではなく食道へと逆流しやすくなることも、逆流性食道炎を引き起こす要因の1つでもあります。
逆流性食道炎の要因その2:偏った食事
消化の悪い食べ物を摂取した際には、通常よりも多くの胃液が分泌されることになります。
特に、脂肪分の多い食べ物やタンパク質の多い食べ物は多くの胃液を必要とするほか、タンパク質はさらに消化するのに時間がかかります。
痩せている人が手っ取り早く太るには、糖分や脂肪分を多く含む食事をたくさん食べる方法がありますが、例えばトンカツが好きでトンカツばかり食べていると、脂肪とタンパク質の両方を多く摂取することになり、通常よりも多くの胃液が分泌されることになるため、逆流性食道炎の発症率が高まってしまいます。
逆流性食道炎の要因その3:暴飲暴食
食事量が増えれば、消化の良いものであっても胃液は多く分泌されます。
さらに、たくさんの食べ物が一気に胃への送り込まれることになるため、胃が引き伸ばされた状態になります。
すると、胃の入り口にある下部食道括約帯も引き伸ばされることになり、逆止弁の役目が果たせず食道への逆流が起こってしまいます。
脂肪分やタンパク質の多い食事を毎日大量に摂取することは、逆流性食道炎の要因をさらに高める行為であり、近年若い世代の発症率が高まっているのも、この2つの要因が大きく関係しているのです。
逆流性食道炎の要因その4:便秘
便秘になると、腸に溜まった便が圧迫することでおなかが張った状態になります。
その状態がどんどんひどくなることで、腸の圧迫が胃にも伝わりそれが原因となって下部食道括約帯の緩み、胃液や内容物の逆流が起こることがあります。
便秘は、食生活の乱れなどから起こり食生活の欧米化が進んでいる若い人には悩んでいる人も多く、これも若い世代の発症率を上げている理由の1つです。
また、痩せている人は食事から摂取する栄養分(食物繊維などの便秘を予防する栄養素)が標準体型の人よりも少ないため便秘になりやすいです。
この状態で、健康を考えず手っ取り早く太ろうとすると、食べ物を消化させるために胃液分泌は高まり、その一方では、便秘が原因で胃は内容物を腸へと送り届けられない状態となり、負の連鎖から逆流性食道炎の発症率が高まることになるのです。
逆流性食道炎の要因その5:ストレス
ストレスは体のバランスを保つ自律神経に支障を与えます。
消化・吸収を促進させるためには、人体の活動を司る交感神経が正常に働く必要がありますが、ストレスによって自律神経のバランスが崩れると交感神経が活発に働かなくなり、消化器系に悪影響を与えてしまいます。
よって、このストレスも結果的に逆流性食道炎を引き起こす要因となるわけです。
逆流性食道炎の要因その6:姿勢
猫背の人は、前傾姿勢になっているため胃を圧迫しやすくなり、この状態が続くことで逆流性食道炎を引き起こしやすくなります。
逆流性食道炎を予防しながら太るためには?
痩せている人の場合、消化器系自体が弱まっている可能性も高く、胃液の分泌が少なかったり筋肉が衰えていたりする場合があります。
そのため、食事の内容を考えずに満腹になるまで食べ続けると、食道が荒れて逆流性食道の引き起こしやすくなります。
従って、痩せている人は、逆流性食道炎を予防しながら健康的に太ることが大切なのです。
では、逆流性食道炎を予防しながら健康的に太るためには、いったいどのような方法で実践すれば良いのでしょうか?
最も気を付けるべきことは、「食事のバランス」「生活習慣」「飲酒・喫煙」を見直すことです。
食事のバランスを整える
大きな要因は胃液分泌を促進させる脂肪・タンパク質の摂り過ぎです。
脂身の多いお肉なら早く太れると思いそればかり食べていると、脂肪とタンパク質を必要以上に摂取することになってしまいます。
もちろん、痩せている人には脂肪やタンパク質を摂取することは、筋肉や脂肪を蓄えることができるため必要なのですが、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富に含まれる野菜をほとんど食べないでいると、便秘・胃液の過剰分泌などから逆流性食道炎を引き起こすほか、動脈硬化などの生活習慣病も招く危険性があります。
従って、野菜や炭水化物を中心に適量の脂肪・タンパク質を加えた、栄養バランスの良い食事を心がける必要があります。
痩せている人が太ろうとすると、高カロリーの食事を摂取してしまう傾向がありますが、急激にカロリー過多な食事を摂ると内臓への負担が大きくなってしまい、健康的に太ることはできません。
まずは、消化の良くエネルギーの元となる炭水化物中心の食事から始め、徐々に栄養バランスを考えながら
様々な栄養を補っていくことが大切です。
生活習慣を見直してみる
ストレスは逆流性食道炎を引き起こす要因の1つであり、ストレスを溜めない生活を送ることは大切なことです。
ストレス社会に生きる私達は、ストレスを全く受けないということは難しいですが、大切なことはそれを自分の中に溜め込まないことです。
気分が落ち込みがちになった時には、ストレスを発散させることを心がけるようにしましょう。
趣味を楽しむも良し、旅行に出掛けるも良し、それぞれの発散方法でストレスのない生活をしていきましょう
心が前向きになると食事もおいしく感じますし、体の組織も正常に働いてくれるので、逆流性食道炎の予防にもつながります。
また、運動不足は体の新陳代謝が衰えるため、内臓の筋肉の衰えにもつながってしまいます。
そのため、有酸素運動を適度に取り入れ筋力アップを心掛けることも大切です。
運動で汗を流すことはカロリーを消費してしまうため太れない気がしますが、筋肉をつけることは内臓の働きを高めることにもつながるほか、ストレスを抱えている人には良いストレス発散法にもなります。
飲酒・喫煙をできるだけ控える
喫煙は言うまでもありませんが、人体に悪影響しか与えず消化器系の働きも低下させるため止めることが大切です。
お酒は糖質が摂取できるため、痩せている人中には「お酒で太ろう」と考える人もいるかも知れません。
ワインなどポリフェノールを多く含むお酒であれば、適量を飲むことで老化防止効果や血行促進効果などが期待できますが、飲み過ぎると人体に悪影響を及ぼし結果的に逆流性食道炎を引き起こす要因にもなりかねません。
また、ポリフェノールなどの抗酸化成分はワインだけに含まれているわけではなく、野菜などにも多く含まれています。
従って、何もお酒から抗酸化成分を摂取する必要はなく、様々な野菜を摂ることで摂取することができるため、アルコールも控えることをおすすめします。
このように、痩せている人が健康的に太るためには消化器系を労わりながら進めていくことが重要となります。
逆流性食道炎を予防しながら太る具体的な方法
逆流性食道炎を予防するには、消化器系に負担を掛けない食事・生活習慣を実践し、体に悪影響を与えるものを止めることです。
また、すでに逆流性食道炎になってしまった場合には、最初に症状を改善させてから太ることが大切です。
逆流性食道炎を改善させるには胃腸薬を服用する方法がありますが、この症状は個人差があるほか多岐にわたっているため、自分は逆流性食道炎だと思っていても実際は全く違う病気だったということもあります。
こうした理由から、自覚症状が出始めた時には、一度病院で診断を受けることをおすすめします。
そしてきちんと治してから、健康的に太るようにしましょう。
では、消化器系に負担を掛けない食事としては、どのようなメニューが良いのでしょう?
痩せている人に必要な栄養素は「炭水化物」「脂質」「タンパク質」の三大栄養素であり、中でもエネルギー源となる炭水化物を中心とし、ビタミン・ミネラルの豊富な野菜や良質なタンパク質・脂質を含んだ食事を、1日3食きちんと摂取することです。
例えば、和食ではご飯(炭水化物)・焼き魚・とり胸肉と根菜類の煮物・納豆・わかめの味噌汁などの組み合わせや、洋食ではご飯(またはパン)・サーモンのオリーブオイルソテー・ポークビーンズ・アボカドサラダ・ヨーグルト・フルーツなどがおすすめです。
脂質やタンパク質は、胃液の分泌を促進させるほか胃腸での消化吸収率が低いため、効果的な栄養補給につながりにくいです。
一方、豆類・オリーブオイル・青魚などに含まれる良質なタンパク質は、消化吸収率が高いため栄養補給に効果的で逆流性食道炎になりにくいのです。
従って、脂質・タンパク質を摂取する場合には、良質なタンパク質を摂ることをおすすめします。
1日の必要カロリーを安定して補うためにサプリを有効活用しよう
栄養バランスのとれた食事を心掛けて1日3食きちんと食べたとしても、痩せている人は全体的に食が細いため必要摂取カロリーをクリアできていない可能性があります。
健康な人が必要とする1日の摂取カロリーはおよそ2,500kcalといわれており、痩せている人はプラス400kcal~500kcalが必要となります。
ただでさえ食が細い人が、食事でカロリーを増やすとなるとたくさんの量を食べることになり、逆流性食道炎の要因になりかねません。
そこで、1日の必要カロリーが補えない時には、栄養成分を補給できるサプリメントと併用する方法がおすすめです。
これらのサプリには、健康的に太るために必要な栄養成分が豊富に含まれており、食事で補えない栄養素をしっかりと補給してくれます。
太ることは決して健康を害することではなく、痩せている人には健康になるために実践したい方法です。
しかし、太る方法が間違っていると逆流性食道炎を引き起こしてしまい、体に大きな負担を与えてしまいます。
このようなことにならないためにも、ここで紹介した方法を実践し、胃腸を労わりながら健康的に太りましょう。
太るためのサプリメントを上手に活用していくことのメリットを当サイトではさらに詳しく解説しているので、興味がある方は引き続き読んでみてくださいね。